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    映画『コンティニュー』はすごいSF 原題Boss Level

    紅茶とりんご

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    映画『コンティニュー』

    凄い映画。アクション映画であり、ミステリーであり、親子のホームドラマであり、世界を破壊する先端装置のSF映画でもある。そのすべてをひっくるめて破綻がない。
    主人公が同じ出来事を繰り返してしまう、というループものは、すでにすぐれた作品がいくつかあるが、この映画を際立たせているのはユーモアだ。このユーモアは、映画の中にも出てくる「ストリート・ファイター」のなどのテレビゲームのように、倒されたものが何度でもよみがえるといった、ゲームという枠の軽み、をベースにしているので、シリアスなシチュエーションを娯楽の高みに押し上げることに成功している。
    主人公が何度も死ぬのだが、その死にバリエーションをつけるのも残虐だが、主人公が何度目かにいろいろ気づくことが出てくるので、ある意味、複線としてだ。
    死ぬたびにゲームのようにリセットされるが、毎回同じというわけではなく、その違いの中から、ループの引き起こすある出来事の解明にたどり着く。
    その解明はミステリー映画のように、主人公と一緒に見る側も体験するようになっている。
    主人公は腕利きの元工作員で、妻と子を顧みずに戦場を住処としてきた男だ。そして、最後に対決する悪の棟梁も幾多の戦場を経験した元工作員だ。
    この映画は、ゲームや、謎解き、父と子の再会、元妻との感情の交流、元工作員同士の対決、世界の終わり、その他、といった様々な要素を上手にまとめ上げている点で、出色だ。
    その成功に要因は、悪の棟梁役のメル・ギブソンと元妻役のナオミ・ワッツだったと思う。
    SF映画として成り立たせているのは、通常、ループを成り立たせている科学装置のはずだ。その真実味をビジュアルにたよらずに、この二人の俳優だけで成立させているが、驚きだった。
    もちろん主人公のフランク・グリロも適役だったと思う。

    (h.s)

    ©hiroshi sano

    監督 ジョー・カーナハン
    公開 2021年6月

     

    評価
    4.7/5

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    映画『コンティニュー』

    https://youtu.be/d5_X6oeWGxo

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