映画『柴公園』

佐野 ヒロシ

映画『柴公園』

柴犬を連れた男三人がつどうので、彼らが勝手に「柴公園」と名付けた。
ま、それはいいとして、ひょっとしたら、この映画は傑作なのではないか、と今思っている。
女性の描き方にこだわりを感じたので、ひょっとして、女性監督かな、と思ったが、男のようだ。
話の展開は、前半、コントのようで、テンポがよく、観ながら「これは買いだ」と思わせる展開だった。
後半、まったく違う展開で、引きこもり気味の女性との恋愛物語になる。
監督は、これを謎解き方式で展開しようとして、フラッシュバックを多用したが、後半一部失敗した。しかし、にも関わらず、意外と腰のつよいメッセージが伝わってきて、社会性も感じられる、好印象の映画になった。
ただ、主役はやや、難アリで、魅力にかける。思い切って、福山雅治でもよかったのではないか。
いまにも破たんしそうな映画展開を感じるかもしれないが、意外に尖った部分があちこちあって、映画は面白いと感じさせてくれた。

 

(hs)

監督 綾部真弥
公開 2019年6月

評価
4/5

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