映画『世界で一番しあわせな食堂』

佐野 ヒロシ

(C)Marianna Films

映画『世界で一番しあわせな食堂』

登場人物は誰もが親しみやすいし、フィンランドの風景は、どれもすみやかで穏やかで、そんな情緒にひたるのならちょうどいい。

ただ、主人公がなぜ、フィンランドに来たのかが説得力に欠けるし、上海での生活が皆無なので、リアリティと深みに欠ける。

中国料理の薬膳が強調されすぎていたり、エキゾチズムがそこここにちりばめられるのもこそばゆい。

フィンランド中国友好映画、といいたくなるところだが、ここはあくまでも監督の善意をくんで、良しとしたい。

ただ、フィンランドのユーモアが充溢しているのが素晴らしい。

(h.s)

監督 ミカ・カウリスマキ
公開 2021年2月

評価
3/5

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