佐野 ヒロシ
映画『恋は雨上がりのように』
出演の小松奈菜がいいし、大泉洋がさらによい。上の写真は、中年の店長(大泉)にアルバイトの高校生(小松)が好意をもって迫る場面だが、そのときの大泉のセリフが「目が怖いよ」(多分)である。つぎのカットが小松奈菜の顔のアップで、本当に怖い目つきだった。
このはらはらする場面での二人の演技が秀逸で、これだけでもこの映画の見ごたえを堪能するが、このぞっとする設定の映画を、さわやかな後味にもっていくことができたのは、大泉洋が必要だったろうし、さらに小松奈菜のおかげで確固になった。
大泉洋の主演作に『探偵はバーにいる』があって、題名のカッコよさと大泉がそぐわない気がしつつ観たが、面白く観たのも、アンチヒーローであってもヒロイズムを宿している人物の幅みたいのを体現しているからだろう。どの出演作もそうというわけにはいかないが、監督や原作によって大泉ならではの役どころがめぐってくる。じつはこの映画はちょっと不器用なデコボコ感がある。大泉洋と小松奈菜はそんなでこぼこ道をまっすぐに疾走していった。(hs)
監督 永井聡公開 2018年5月
評価
4/5
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