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映画『ファーザー』

不条理なことが次々に起こる、そういう映画、という見方をすれば楽しみ方がひとつ増える。
多分、一番初めのカットあるいはシーンと、最後のカットが現実レベルの話。あと中間にも娘のシーンで現実レベルがあるかもしれない。
その他は、すべて、娘、介護人、義理の息子、フラットといった要素が、不条理に組み合わせをかえて登場する。
以前、イギリスのテレビドラマで不条理を題材にしたものを見て楽しんだ記憶がある。それはかなり前で、私が子どもの時だ。子どもは結構不条理なものを素直にうけいれるのだ、というのが振り返った今の印象だ。
それはさておき、サイエンス・フィクションなどでは、不条理そのものがテーマになることもある。不条理というのは、あるものからあるものへと理由づけられることなく飛躍してしまうことだ。その飛躍の間隙にこそ面白さを感じてします。そしてさらに言ってしまえば、その間隙の面白さこそ、映画そのものなのだ。
映画の申し子ともいえるアンソニー・ホプキンスが、不条理をテーマとした映画の主人公となることこそが、この映画の真髄なのかもしれない。

(h.s)

©hiroshi sano

監督 フロリアン・ゼレール
公開 2021年5月

評価
3.6/5

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