映画『決断の3時10分』
(C) 2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会
人を殺しまた金で操ろうとする悪役(グレン・フォード)と法を守ろうとする貧乏牧場主ダンのとのやりとりの(ある意味)密室の心理劇。法を守ろうとし、市民としての義務を果たそうとして、ダンを助けようとする町の人は入れ替わり立ち代わりあらわれるが、悪役一党の数の前に皆退いていき、最後はダンだけしか残らない。直前に普段その酒癖からのけ者扱いのコリンズが、一味に見せしめに殺される。そのことが、ダンの気持ちを強めるのだった。一方、悪役(グレン・フォード)はダンを金で手なずけようとするが、ダンの妻の一途さも目撃する。それが、最後の結末、悪役がダンから逃れようとせず、逆にダンの使命を助けるために、自らユマ(刑務所)行の列車に一緒に飛び乗るという劇的な行動を起こす。
のけ者だったコリンズさえ命をはって守ろうとした市民の義務と法の順守、それを貫こうとするダンに、最後には共感してしまう悪役!そんな時代が、アメリカの西部の町づくりの中で培われてきたのだ、ということを描いている。
(NHKBSで視聴)
監督
公開 1957年
© 2021.Hiroshi Sano
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