佐野 ヒロシ

(C) 2020映画「奥様は、取り扱い注意」製作委員会

映画『劇場版 奥様は、取り扱い注意』

綾瀬はるかはそこそこ演じている。西島秀俊もそこそこ演じている。だったら、問題ないのでは?(注)

綾瀬は国際的に活躍するアクション系スパイ(ボンドみたいな)らしい。西島もそこそこ強くて、綾瀬を管理する立場の公安の人間。
綾瀬が頭部に銃弾を受けて、記憶を失ってから、二人は夫婦となって、ある地方都市を舞台にした、国際的マネーロンダリングの陰謀に巻き込まれていく、というお話。

お話自体に無理がある、というか、練ったあとが見られない、というか、設定と配役が薄い。

綾瀬はるかが記憶を失っているかぎり、西島との夫婦生活は、うつくしい海のある町で、穏やかに過ぎていく。綾瀬は年齢に応じたそれなりの光彩を放っている。そのシーンだけで、映画として成立している。二人が暮らす家も、センス良く作りこまれている。

二人をとりまく陰謀を体現するはずの役者も、その演技もシチュエーションも、薄い。悪役たちも、手抜きで演じているように見える。

薄い部分を省いたら、五分の一くらいの長さになってしまうのだろうが、その五分の一が、次の映画に、つながっていく、気がした。

(h.s)

(注)竹内まりや

監督 佐藤東弥
公開 2021年3月

 

評価
2.7/5

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